家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
犬の繁殖生理に関する研究
VI. 排卵数と受精卵の子宮内移送
筒井 敏彦
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 21 巻 3 号 p. 98-101

詳細
抄録
実験犬135頭について,排卵後1日から70日の間に剖検して卵巣を観察し,黄体数にもとづいて排卵数を推定した。また,これらの実験犬のうち妊娠20~60日のものおよび分娩直後の犬69頭における左右卵巣の黄体数,左右子宮角の胎児数を観察し,つぎの成績を得た。ただし,このうち2頭は1個の卵胞から複数の卵が排出されたと考えられるので資料から除いた。
1. 排卵数
実験犬135頭の左右卵巣の排卵数を合わせると2~12個,平均6.0±1.7個(標準偏差)で,左卵巣は3.1±1.4個,右卵巣は2.9±1.4個でほぼ等しく,左右卵巣の排卵機能に有意差は認められなかった。また,発情発現の季節別による排卵数にも有意差は認められなかった。
2. 受精卵の子宮内移送
実験犬の全胎児数は黄体総数の88.8%にあたっていた。
受精卵の子宮内移送は67頭中33頭(49.3%)に認められ,その数は大部分の犬において1個または2個であった。移送の方向は33頭中30頭(90.9%)は黄体数の多い側から少ない側へ,他の3頭(9.1)は左右黄体数が等しい場合であり,排卵数の少ない側から多い側への移送は認められなかった。移送の結果,左右子宮角内の胎児数は均等化する傾向を示した。
著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top