家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
受精卵の移植実験
堅田 彰八幡 林芳武田 功美済津 康民
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1961 年 6 巻 3 号 p. 109-110

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抄録

1. 供試したコリデール種雌緬羊は発情予定日の4日前より毎日プロゲステロンを10mgづつ注射して発情周期を調整した。
2. 多排卵を誘起するために採卵用の緬羊は発情予定日の1日前に妊馬血清1500I.U.を注射し,各個体の卵巣に3個づつの排卵が認められた。
3. 発情開始後74時間経過してから,採卵個体は外科的な手術を行いその輸卵管からリングル氏液の灌流法で採卵した。採取卵は約1.5時間室温に放置された後,被移植卵個体に外科的な方法により子宮角と輸卵管の移行部へ移植された。
4. 採取卵数は2個で,いずれも16細胞期の受精卵であつた。
5. 受精卵2個を移植された1頭の被移植卵羊は雌の単仔を正常分娩した。
6. 移植受精卵によつてうまれた仔羊は正常の発育を示した。

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© 日本繁殖生物学会
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