家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
乳牛の黄体期におけるCDS所見と19 nor-methyl-testosteroneの応用
芦田 浄美
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1961 年 7 巻 2 号 p. 80-84

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抄録
正常牛,繁殖障害牛,低受胎牛計173頭について黄体機能の検討を目的に,黄体期におけるCDS延276例を調べた。また低受胎牛10頭に対して19 N.M.T.の応用を試み,次の成績を得た。
(1) 発情終了後, CDSの結晶像の消失は通常,黄体期の第6~7日頃から認められ,第16日頃から次回発情期にかけて再び結晶形成現象の出現がみられた。
(2) 3牛群を通じて,黄体初期から開花期にかけて,発育卵胞が黄体と共存している例がかなりみられた。而して,個体によつては黄体機能よりもむしろ共存卵胞の機能が優位の状態でCDSに反映しているとみられるものがあつた。
(3) 低受胎牛群の中には,他の2牛群に比べ,黄体初期から開花期におけるCDSの結晶像の消失が遅延するものが多かつた。
(4) 3牛群の黄体の大きさ,発育程度に著しい差は認められなかつた。
(5) CDSの所見から推定した開花期黄体機能の低下は個体の泌乳期を通じて泌乳最盛期に起り易い現象ではないかと思われる。
(6) CDSの所見を示標にして受胎促進のため,低受胎牛10頭に対し19 N.M.T. 40~130mgを人工授精後,黄体初期に1~3回にわたつて経口投与し,中7頭が本処置を契機に受胎した。
(7) 以上を通じて,低受胎牛の中のProgesterone適応症の診断にはCDSの所見が不可欠と思われる。また,このことによつて黄体期における内因性Estrogen濃度に対する外因性Progesterone量の盲目的過剰投与が防止出来ると思われる。
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