抄録
合成GnRHとperoxidaseをbis-diazotizedbenzidineを用いて結合させたPOD標識GnRHと,第1抗体としてカルボジイミド法により結合した[Glu1]-GnRH-RSAを馬に免疫して作製した抗GnRH血清を,第2抗体として抗馬Υ-グロブリンウサギ血清を用いてGnRHの二抗体法EIAの検討を行った。酵素反応基質としてはo-phenylenediamine/H202を用い,反応後,492nmの吸光度を分光光度計で測定した。その結果,25Pg/tube~250ng/tubeの範囲で用量反応曲線が得られ,測定限界は約50pg/tubeであった。
本EIAにおける類縁物質との交叉反応の検討結果から,本抗血清はGnRHのC末端を認識するものと思われた。また,牛血漿に既知量のGnRHを添加して抽出試験を行った結果,血漿中GnRHの測定の際の標準曲線としては,一定量の血漿にGnRHを添加し,これを抽出して作製する必要があることが認められた。
去勢雄牛2頭に200μgのGnRHを投与し,投与後の末梢血中GnRH濃度を本EIA系で測定した結果,投与直後に急上昇し,その後漸減する消長曲線を得ることができた。