抄録
(目的)日本在来種由来のシバヤギは、東京大学農学生命科学研究科附属牧場で40年以上クローズド・コロニーとして系統維持されてきた小型で温順かつ強健で周年繁殖する反芻動物の実験モデルであり、多くの研究に用いられてきている。今回これをウシの性周期制御機構と発情(排卵)周期回帰機構の研究のモデルとして供しえるか否か検討した。
(方法)超音波画像診断装置を用いてヤギとウシの卵巣を非侵襲的にかつ反復して観測し、PGF2α投与後の卵胞と黄体の動態を精査した。
(結果)ヤギ、ウシともに黄体期においても卵胞発育(卵胞発育波)が繰り返して起きていることがわかった。ウシにPGF2αとGnRHを組合せてプログラム投与したのでは発情同期化、授精定時化効果のバラつきが多いので、ウシのモデルとしてのヤギを用いて、排卵後2,3,4,5,15,16,17,18,19日にPGF2αを投与して血中Progesterone、Estradiol濃度の推移と排卵過程を調べ、発情同期化、授精定時化を不安定にする要因を調べた。