主催: 日本繁殖生物学会
会議名: 第113回日本繁殖生物学会大会
回次: 113
開催地: 東北大学
開催日: 2020/09/23 - 2020/09/25
【目的】下垂体には複数のフェノタイプの幹・前駆細胞が存在し,それらが下垂体の発生やターンオーバーに重要な役割を果たしている。最近,我々は外胚葉起源が定説の下垂体において神経堤由来の未分化細胞の存在を報告したが,その分化能の詳細は不明である。そこで本研究では,転写因子PRRX1を指標に下垂体における神経堤由来の幹・前駆細胞の分離を試みた。【方法・結果】C57BL/6Jマウス下垂体を用いて免疫組織化学を行ったところ,幹細胞マーカーSOX2およびPRRX1二重陽性(SOX2+PRRX1+)細胞が,幹細胞ニッチmarginal cell layerと前葉実質に認められた。また,5種類の内分泌細胞や血管内皮細胞の一部もPRRX1陽性であった。次に,マウス下垂体前葉の細胞を分散して2次元培養したところ,SOX2+PRRX1+細胞の割合がほぼ100%に達し,各前葉ホルモンや血管内皮細胞マーカーは陰性であった。また,遺伝子発現を調べたところ,神経堤細胞マーカーNgfrおよび上皮性幹細胞マーカーCdh1発現が培養前に比べて顕著に高かった。これらの結果から,適切な条件を用いた2次元培養により,下垂体前葉に存在する神経堤由来の幹・前駆細胞を分離できることが示唆された。