日本繁殖生物学会 講演要旨集
第114回日本繁殖生物学会大会
セッションID: AW-1
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卵巣・卵子
排卵刺激後のINSIG消失に伴うSREBPの転写活性亢進は排卵に必須である
*中西 寛弥藤内 慎梧山岡 愛実岡本 麻子川合 智子島田 昌之山下 泰尚
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抄録

【目的】排卵刺激後,顆粒層細胞(GC)はコレステロール(Cho)からプロゲステロン(P4)を産生し排卵が誘導される。我々はマウスGCにCho新規生合成酵素の転写因子SREBPが卵胞発育刺激により発現すること,SREBPが排卵期にCho新規合成とP4を産生することを報告した。しかし,卵胞発育期に発現するSREBPがなぜ排卵刺激後に機能するかは不明である。本研究ではSREBPの正の制御因子SCAPと負の制御因子INSIGに着目し,排卵刺激後にSREBPが活性化する機構を追究した。【方法】実験1. eCG投与48時間後にhCGを投与し,卵胞発育と排卵を誘導した雌マウスのGCを用いてSREBP,SCAP,INSIGの経時的発現を調べた。またhCG投与前後のGCを用いてSCAPとSREBPあるいはINSIGの結合能を調べた。さらに活性型SREBP(nSREBP)の発現と局在,標的遺伝子発現とCho量を調べた。実験2. eCG投与後のマウスにSREBP活性化阻害剤Fatostatin(Fato)を投与し,hCG投与前後のnSREBP発現,標的遺伝子発現とCho量,P4量を調べた。実験3. Fato処理したマウスにhCGとP4を投与し,排卵数と黄体数を調べた。【結果】実験1. SREBPはeCG投与後に増加しhCG投与後に減少した。SCAPは恒常的に発現した。INSIGはeCG投与後に増加しhCG投与後に減少した。SCAPとSREBPの結合能はhCG前後で変わらないが,SCAPとINSIGの結合能はhCG投与後に低下した。nSREBPはhCG投与後に増加し核へ局在化し,標的遺伝子発現とCho量が増加した。実験2. Fato投与によりnSREBP,標的遺伝子発現,Cho量,P4量が減少した。実験3. Fato投与により排卵数と黄体数が減少し,P4の追加投与によりこれらが回復した。以上から,排卵刺激後のINSIG消失に伴うSREBPの活性化がCho新規合成とP4産生,排卵に重要であることが明らかとなった。

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