主催: 日本繁殖生物学会
会議名: 第114回日本繁殖生物学会大会
回次: 114
開催地: Web開催(京都大学)
開催日: 2021/09/21 - 2021/09/24
【目的】哺乳類のメスでは加齢に伴い生殖能力(卵巣及び卵子の機能)が低下・消失するが,オスの加齢が妊性・生殖器官・生殖細胞に及ぼす影響についての詳細は不明である。本研究ではオスマウスを用いて解析を行った。【方法】C57BL/6J系統のオスマウス用い,2ヶ月齢から24ヶ月齢まで交配試験を行い,加齢による妊性の変化を解析した。また,オスの加齢による血中テストステロン濃度の変化を測定した。続いて,精巣や精巣上体の加齢兆候について,組織学的観察に加え,加齢マーカーであるSA-β gal染色やDNAダメージマーカーであるγH2AXの免疫染色による解析を行った。さらに,加齢オス精子を用い,形態観察,運動性測定,体外受精・体外培養(IVF・IVC),コメットアッセイ法によるDNAダメージの検出を行い,精子の品質を評価した。【結論・考察】精巣や精巣上体において種々の加齢兆候がみられ,生産される精子数の低下や,精子の品質低下なども確認された。これらの結果として,加齢オスにおいて妊性が低下することが示唆された。