日本繁殖生物学会 講演要旨集
第114回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR-38
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精巣・精子
オスの加齢が精子形成や精子の品質に及ぼす影響
*遠藤 墾江森 千紘小林 清訓松村 貴史小沢 学石川 祐河本 新平原 英二伊川 正人
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抄録

【目的】哺乳類のメスでは加齢に伴い生殖能力(卵巣及び卵子の機能)が低下・消失するが,オスの加齢が妊性・生殖器官・生殖細胞に及ぼす影響についての詳細は不明である。本研究ではオスマウスを用いて解析を行った。【方法】C57BL/6J系統のオスマウス用い,2ヶ月齢から24ヶ月齢まで交配試験を行い,加齢による妊性の変化を解析した。また,オスの加齢による血中テストステロン濃度の変化を測定した。続いて,精巣や精巣上体の加齢兆候について,組織学的観察に加え,加齢マーカーであるSA-β gal染色やDNAダメージマーカーであるγH2AXの免疫染色による解析を行った。さらに,加齢オス精子を用い,形態観察,運動性測定,体外受精・体外培養(IVF・IVC),コメットアッセイ法によるDNAダメージの検出を行い,精子の品質を評価した。【結論・考察】精巣や精巣上体において種々の加齢兆候がみられ,生産される精子数の低下や,精子の品質低下なども確認された。これらの結果として,加齢オスにおいて妊性が低下することが示唆された。

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© 2021 公益社団法人 日本繁殖生物学会
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