環境技術
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研究論文
アスベスト曝露による健康リスクの低減対策の比較検討
藤長 愛一郎笹本 譲吉田 幸司
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2008 年 37 巻 1 号 p. 54-60

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抄録

本研究では,アスベスト曝露による健康リスクを低減させるために,建築物の解体などによって発生する飛散アスベストの対策方法を3ケース設定し,各対策実施後の一般環境の大気中アスベスト濃度を予測することによって,各対策の効果を比較検討した.設定した対策方法は,ケース1「対策なし」,ケース2「手ばらしによる解体」,およびケース3「溶融処理による無害化」とした.リスク評価の結果,ケース2が完全に実施された場合,「対策なし」の場合より2割程度のリスクを削減でき,ケース3の場合は3割程度のリスクを削減できる結果となり,リスクの低減目標レベルによっては,目標達成期間を大幅に短縮できる可能性が示された.よって,リスク低減対策として,まずは「手ばらしによる解体」の完全な実施を目指し,それが達成困難な場合には,費用はかかるが「溶融処理」が有効であることが示唆された.

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© 2008 環境技術学会
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