抄録
汎用ガラス(ソーダライムガラス)使用,インジウムレスという既存のデバイスでは実現できていない環境負荷低減を図りつつ,CRTの高画質性を継承した新ディスプレイデバイスの可能性を追求した.複数の小型CRTユニットを並べるという独自のタイリングCRTのプロトタイプを試作し構想検証を行った.タイリングというブレークスルーにより,汎用ガラス使用に不可欠なアノード電圧の大幅低減と薄型・軽量化,大画面化の同時実現を図ることができた.タイリングに伴うユニット間のつなぎ目解消のため,独自のビーム位置およびビーム電流の検出・フィードバックシステムを導入した.一般に,環境調和型設計においては,デバイスの持つ強固な制約を乗り越えることは困難であり,中長期的取り組みとして,環境要求に対し妥協をしないですむ新しいデバイスの追求・創出が重要と考える.