2011 年 40 巻 4 号 p. 240-246
下水処理プラントからの二次処理水,返流水中のリンと下水汚泥焼却灰から硫酸や塩酸溶液により抽出したリンを,ミカン搾汁残渣を起源とした吸着剤(Zr-SOJR)によって吸着性を検討した.二次処理水と返流水のリン濃度は5.9mg/Lと68.2mg/Lであった.返流水のリン吸着率はバッチ実験において液固比の増加とともに増加した.その吸着能力はジルコニウムフェライトより高い値となった.二次処理水の吸着では,カラム通水実験により通水量が吸着剤容量の300倍以上で破過に達した.焼却灰からのリン抽出は酸溶媒の使用により効率的に行え,Zr-SOJRで吸着できることを示した.