環境技術
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研究論文
従属栄養脱窒とAnammoxを組み合わせた窒素除去プロセスの可能性
─回分試験による検討─
武川 将士中川 勇樹高井 啓司惣田 訓池 道彦
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2014 年 43 巻 5 号 p. 293-300

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抄録

嫌気性アンモニア酸化(Anammox)と従属栄養脱窒の同時反応(Simultaneous Anammox and Denitrification, SAD)を用いた新たな窒素除去プロセスの可能性を検証するため,活性汚泥にAnammox汚泥を混合した系を用い,酢酸塩,硝酸性窒素,アンモニア性窒素を含む合成下水の回分処理実験を行った.その結果,従属栄養脱窒細菌が酢酸塩を用いて硝酸性窒素を還元することで生じた亜硝酸性窒素の一部をAnammox細菌がアンモニア性窒素とともに脱窒することが推察された.また,酢酸塩由来の有機炭素/硝酸性窒素(C/N)比が0.5以上の系では,24時間以内に90%以上の窒素除去率が得られた.このことから,SADプロセスは,極めて低いC/N比の排水を含め,幅広いC/N比において窒素を良好に除去できることが示唆された.

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© 2014 環境技術学会
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