2024 年 53 巻 4 号 p. 206-214
連続流れ分析(Continuous Flow Analysis)による自動酸分解装置について,コスト削減と測定の安定化を図るためにトリガー試薬およびフローの改良を行った.トリガー試薬として,Rh 試薬と比べて入手しやすいPd 試薬を検討したところ,問題なくトリガー試薬として使用できることがわかった.次に,加熱分解後に行うデバブルの位置を,加熱槽出口から1m の位置から10 ㎝へと変更した.この結果,放冷によって析出した固体による気泡の乱れが見られなくなった.さらに,分光光度検出器から誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)の導入部を分岐するデュアルフローを開発した.このデュアルフローにより,吸光度シグナルの安定性向上およびネブライザーの詰まり軽減を実現できた.改良後の装置を用いた実試料の金属一斉分析では,標準溶液測定および添加回収試験において良好な結果が得られた.今回得られた知見は,自動前処理装置開発に関して重要な知見となり得る.