2026 年 55 巻 1 号 p. 34-41
本研究では,物質・エネルギーフロー解析モデルを開発して,中国上海市を対象とした都市代謝に随伴する直接・間接的な環境負荷量を,4つの持続可能性指標(総物質需要量,エコロジカル・フットプリント,CO2排出量,ケミカル・フットプリント)を用いて2007~2016年を対象に評価した.その結果,上海市では,建設構造物(ストック財)の蓄積に伴う直接物質投入量と,製造に伴う間接的な環境影響が大きい特徴が明らかになった.また,都市全体のVOCs 排出量が増加した結果,ケミカル・フットプリントが2007年からの10年間で211%増加した.持続可能性指標を用いた多面的な評価により,建設資材の再資源化や交通移動由来のVOCs 排出削減が市全体の環境負荷低減に有用であることが示された.