抄録
広島湾北部沿岸域における表層水と底泥を用いて, 底泥の藻類動態に及ぼす影響について検討した.その結果, 底泥が藻類に対して抑制作用を及ぼす現象が観測された.この時, 藻類中の窒素含量が著しく大きくなり, また窒素の変換 (代謝) 過程に特徴的パターンが見い出された.すなわち, 光照射下で増殖期においてDINは藻類に取り込まれるが, PONの形態で蓄積されず, 容易にDONの形態で排泄ないし溶出した.他方, リンはDIPの形態で取り込まれ, POPとして藻類中に蓄積された.
沿岸海域における挙動と比較すると, 海域においても夏季 (4~7月) の底層ないし中層で, 上述の藻類中の高い窒素含量ならびに窒素の代謝過程に特徴的なパターンが見い出された.これらの現象はいずれも底泥からの微量成分が関与していることを示唆している.