環境技術
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農畜産廃棄物のメタン発酵
加藤 明徳
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1981 年 10 巻 3 号 p. 273-277

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抄録

農畜産業から発生する廃棄物には, 豚糞尿, 牛糞尿, 鶏糞, 牛豚内ぞう, みかん粕, 稲わら, もみがら等がある.これらの廃棄物は飼料化, 肥料化, 焼却, 廃液処理等により有効利用の方策がとられ, 併せて環境汚染防止対策もなされているが, 近年農畜産業の集約化により, その廃棄物の発生量は著量となり有効利用にも不均衡が生じ, 地域の汚濁負荷も大きくなりつつある.この問題は, 特に畜産業にあっては飼料の大半が米国を主とする国外からの輸入にたより, 飼料のもつ潜在エネルギーの大部分が廃棄物としてその地域に残こされる為に生じると考えられる.他方, 農畜産業の機械化あるいは装置化により消費される石油エネルギー問題も深刻化しているのは周知の通りである.これらの問題を解決する一手段として最近メタン発酵法を中心とした有効利用システムが注目されているのは下記の理由によると考えられる.
1) 廃棄物中の潜在エネルギーをメタンガスのエネルギーとして利用出来る.
2) 廃棄物を施肥効果の高い肥料に転換できると同時に廃棄物の処理処分が可能となる.
農畜産廃棄物のメタンガス化によるエネルギー化技術は有機物のエネルギー化技術の中でも重要な位置づけを持つと考えられるので, この高効率化を中心に検討を行なった.

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