環境技術
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晶析脱リン反応におよぼす総アルカリ度の影響
上甲 勲
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1983 年 12 巻 5 号 p. 278-284

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抄録

晶析脱リン反応におよぼす総アルカリ度の影響を明らかにするために, 回分法とカラム通水法による脱リン実験を行った.回分実験の反応時間は25時間までとした.また, カラム通水実験は68日間にわたって行った.種晶にはリン鉱石を調整して用いた.
回分法による脱リン実験の結果では, 総アルカリ度が高くなると脱リン反応速度が低下する傾向を示した.一方, カラム通水実験の場合には, 水中の総アルカリ度の影響よりもカルシウムイオン濃度やpHなどの反応条件の方が脱リン効果に大きく影響することが明らかになった.68日間のカラム通水実験に使用した種晶をX線回折粉末法で分析した結果, 種晶中の炭酸カルシウムの含有量が, 水中の総アルカリ度やpHの違いによって変化することを確認した.

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