1994 年 23 巻 8 号 p. 498-501
化学物質の化学構造から水中での分解性を予測する研究を行った.ハロゲン化炭化水素の加水分解速度を予測する分子パラメータを導出するために, MOPAC93プログラムのCOSMOルーチンを用いて水溶液系の分子軌道計算を行った.この計算で得られた種々の分子パラメータと加水分解速度の実験値との相関を検討した.その結果, HOMO電子準位エネルギーとの相関が最高であり, このパラメータを用いることによって, ハロゲン化炭化水素の加水分解速度がかなりの精度で予測できることが分った.