環境技術
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コンピータによる公害情報管理と環境アセスメントへのアプローチ
松崎 功保
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1974 年 3 巻 6 号 p. 397-402

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抄録

コンピューターによる公害情報管理と環境アセスメントを行い地域社会の問題解決に貢献するためにも, またコンピューターの新しい利用分野を開拓するためにも新しい問題領域に積極的にとりくんでいるサイエンティフィック・センター内に環境制御プロジェクト・チームが発足した.
チームの発足にあたっては, 問題領域の調査, 現在利用可能な技術状況, 近い将来に開発されるであろう技術, この新しいアプローチによってもたらされる新しい価値, 問題を解決するのに必要ないくつかの方法論, そのなかから最も望ましい方向を見つけ出すのに必要な判断基準, その方法論にもとつく数学的手法とコンビューター利用技術の調査, 数学的手法と解の検証のための方法, 解あるいは諸パラメーターの感度解析, 方法論の適用のための諸問題の解決, システムの導入という手続きを順序よく, またときによっては反復的に踏む必要がある.以上のような考え方を実行に移すために, 世界的規模における調査活動を行いプロジェクト・チームを発足させた.その際に実際に広く環境にかかわる問題をかかえており, また政策に反映することの可能な立場にあり, また進んだ問題意識を持っている地方自治体との研究・開発上の協力関係が不可欠であるとの判断のもとに兵庫県の企画部と共に研究開発活動を実行している.とりあげているテーマは, 2つありその1つは, 長期的な企画業務にコンピューターを利用する技術の開発, もう一つは, 大気汚染の予測と規制のためのコンピューター・システムの適用技術の開発である.環境アセスメントのための現状のシステムは現状把握のためのセンサー・ベース・システムという考え方に立脚しているものが大部分で, 長期的見地よりこの問題にとりくみ, 具体的な成果を挙げたものは世界的にも数少いので, その好例としてここでご紹介することにしたい.
なお, 現在世界各国で環境にかかわる問題をとりあげつつあり, これにたいしてもわれわれは積極的に参加して多数の研究者・開発担当者と問題を発見し, 解き実際に効果のあるシステムを導入することを企画立案中である.

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