環境技術
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生ごみ処理装置における生ごみ分解関連因子の検討
竹本 稔高橋 通正鈴木 義治吉沢 真弓
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2002 年 31 巻 3 号 p. 222-230

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抄録

家庭用生ごみ処理装置を実際の家庭に設置し, 現地試験により生ごみの投入状況, 装置の運転状況の調査をおこなった.その結果, 家庭からの生ごみ投入量は, 家庭間だけでなく, 同一家庭内の日当り投入量の格差も大きかった.投入生ごみの種類については, 全期を通して野菜屑が主体で, 続いて茶粕, 卵殻が多い傾向であった.また, 投入量と生ごみ種類の相関関係の検討をおこなった結果, 冬季は残飯 (主に米飯) が, 夏季はメロン, スイカ等高含水の果実残さが生ごみ投入量の増加に与える影響が大きいと考えられた.また, 生ごみ分解率と含水率, pH, EC (電気伝導度) との関係を検討した結果, 生ごみ分解率低下と含水率, pHの低下, ECの上昇との関係が高く, これらが生ごみ分解率低下の要因となると考えられた.併せて, モデル試験で各生ごみ素材の分解率や菌床pH変化への影響等について調査した結果, 生ごみ処理装置での生ごみ分解に関与する主な要因を整理し示すことができた.

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