環境技術
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給排水点切り替え上下Uターン水路式生物ろ床法生活排水処理装置の開発
溝口 忠昭梶山 陽介佐藤 一教高本 成仁村上 光正
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2003 年 32 巻 5 号 p. 394-404

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抄録

主として単独浄化槽が使用されている地区の生活排水を対象に, ひも状ろ材を用いた上下Uターン水路 (UOS) 式生物ろ床法処理装置を開発した.この方式は溶存酸素の確保が容易で, ろ材と液の接触が良好であることが特長である.UOS式において, 液流入部のろ材に汚泥が付着して浄化性能が低下した時点でろ材を液後流部にシフトすると, ろ材に付着した汚泥は除去された.この原理に基づいた有効容積1.6m3で, 給排水点の自動切り替えが可能な装置を試作して通年の生活排水処理実験を行った.水温が12℃以上であれば滞留時間6.7hで化学的酸素要求量 (COD) は25~30mg/Lから10~15mg/L程度まで, 生物化学的酸素要求量 (BOD) は5mg/Lまで除去された.場合によっては処理水中に10mg/L程度の浮遊物質 (SS) を認めたが, 1年間の実験期間中ろ材の洗浄は不要であった.生活排水中の窒素はもっぱらアンモニア態で存在したが, 水温が10℃以上であればその90%以上がろ床内で硝酸態窒素に酸化された.

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