環境技術
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オゾンを用いた余剰汚泥低減システムにおける処理水質に関する検討
神谷 俊行廣辻 淳二
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2005 年 34 巻 10 号 p. 728-736

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抄録

オゾンを用いた余剰汚泥低減システムにおいては処理水質の劣化を抑制することが必要である.これまでの検討において高い余剰汚泥低減効果を有することが明らかになった「高濃度オゾン間欠処理を用いた余剰汚泥低減システム」について, 処理水質に及ぼす影響を検討した.実廃水を用いた余剰汚泥低減実験より, 高濃度オゾン間欠処理では, 低濃度オゾンを連続的に注入する場合に比べ, 処理水DOC濃度の増加を小さく抑えられることが明らかになった.活性汚泥の脱水素酵素活性や曝気槽内の有機物濃度の変化などの挙動から, 間欠オゾン処理ではオゾン処理を行なわない期間を確保することで, 連続的な有機物負荷の増大を回避しながら, 曝気槽活性汚泥の有機物分解活性を回復できることがこの要因と考えられた.これより, 高濃度間欠オゾン処理は, 効率的に余剰汚泥量の低減を行ないながら, 処理水質の悪化を抑制できる有効な処理方式であると結論した.

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