環境技術
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弥彦山頂における霧水及び降水中の主要化学成分の濃度変動とその関連性
福崎 紀夫近藤 聡美戸塚 績
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2005 年 34 巻 7 号 p. 504-512

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抄録

新潟平野の西部に位置する弥彦山山頂付近における霧水と降水中の主要化学成分の濃度変動及びその関連性を把握するため, 2001年5月下旬から12月下旬の問, 霧水及び降水を対として捕集した, 測定した全ての成分で降水に比較し霧水が高い濃度を示し, その違いが大きかった成分は, NH4+, nss-SO42-, NO3-及び海塩成分等であり, 違いが小さかった成分はnss-Ca2+などであった.霧水中の海塩成分濃度は, 日本海上空への寒気の流入時に濃度上昇が見られたが, このとき必ずしも降水に濃度上昇は見られなかった.また, nss-SO42-, NO3-, NH4+及びnss-Ca2+濃度は, 捕集霧水量, 降水量及び気象状況により国内外の発生源の影響を受け濃度変動するが, NH4+をはじめ霧水中の成分濃度と降水中成分濃度間には高い相関性は見られなかった.霧水中の (NO3--/nss-SO42-) 比の中央値は, 1.75であり降水 (0.49) の約3.6倍と高く, 霧水の酸性化には硝酸の寄与が大きいことが推測される.

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