環境技術
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小麦フスマを基質とする水素発酵における初期pH及び培養温度の影響
渡邉 久典吉野 秀吉
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2006 年 35 巻 10 号 p. 744-751

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抄録

神奈川県内の小麦製粉事業者から入手した小麦フスマを基質として, 植菌せずに初期pHを4, 5, 6, 7, 培養温度を25, 35, 45℃と段階的に設定して回分培養による水素発酵を実施し, 初期pH及び培養温度の水素生成や小麦フスマ成分の分解性に対する影響を検討した.その結果, 水素収率は, 25℃及び初期pH6で最大値 (80.4ml/g-VS) を示すことが明らかとなった.また, 小麦フスマ中の成分の培養条件による分解率の違いについて調査したところ, 全炭水化物は35℃及び初期pH7において最大の分解率 (89.2%) , 全蛋白質については25℃及び初期pH4において最大の分解率 (54.1%) , 脂肪については45℃及び初期pH5において最大の分解率 (51.2%) をそれぞれ示すことが明らかとなった.

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