環境技術
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空気中窒素酸化物の酸化および還元反応に関する研究 (1)
―暗反応におけるN2O, NOおよびNO2の挙動―
鍵谷 勤荻田 堯八田 博司
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1978 年 7 巻 10 号 p. 947-953

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抄録

空気中の窒素酸化物の室温における挙動およびこれらの挙動におよぼす酸素や水分さらに反応器壁の影響を調べた.テドラーバッグ内およびガラス製反応容器内のいずれにおいても, N2O-N2-O2系中のN2Oは2時間放置しても全く変化しなかった.テドラーバッグ中におけるNO-N2-O2系のNOはNO2に酸化され, その反応速度は-d〔NO〕/dt=7.5×105・l2・mol-2・min-1・〔NO〕2・〔O2〕で表わされたこの系に水分が共存しても反応速度は変わらないが, NO2は少し器壁に吸着する.ガラス反応器の場合には, NOの酸化反応はガラス容器壁の影響を受けないが, 生成したNO2が一部器壁に吸着されて減少する.この系に水分が共存するとNOの酸化速度は少し増大し, NO2の器壁への吸着量は著じるしく大きくなった.
NO2-N22-O2系におけるNO2の化学的変化は観測されないが, NOの場合と同様に, 水分およびガラス器壁の影響をうけ, 水和吸着によるNO2の減少が認められる.また, 吸着されたNO2に高圧水銀灯を照射すると, ほぼ定量的にNOに還元されて脱離した.

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