日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第49回大会
セッションID: COE1-2
会議情報

"The Radiation Casualty Medical Research Center" International Symposium "Genome Damage Response and Genome Stability"
ファンコニ貧血蛋白FANCD2とコア複合体によるDNA損傷修復メカニズム
*高田 穣
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
ファンコニ貧血(Fanconi anemia、FA)はまれな遺伝性疾患で、進行性骨髄不全、骨格異常、白血病などの高発がん性を示す。細胞レベルでは、染色体不安定性と、マイトマイシンC(MMC)等のDNAクロスリンカー剤に対する高感受性が特徴的である。FA患者には12の相補群が存在し、11の原因遺伝子(A/B/C/D1/D2/E/F/G/J/L/Mなど)が同定されている。FancA/C/Gなど8つのFA蛋白は核内でFAコア複合体を形成し、DNA二重鎖切断や停止複製フォークに反応してキーファクターであるFANCD2のモノユビキチン化と核内フォーカス形成を誘導する。FANCD2自体の生化学的機能やその下流のイベントに関しては不明な点が多い。我々は、FANCD2をベイトとしたツーハイブリッドスクリーニング、GFP-FANCD2の核内ダイナミクス解析、FANCD2とユビキチンやヒストンH2Bなどの融合分子の発現により FANCD2によるDNA修復制御機構を解析し、FAコア複合体の多彩な役割を見出したので報告したい。
著者関連情報
© 2006 日本放射線影響学会
前の記事 次の記事
feedback
Top