日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第52回大会
セッションID: W3-3
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細胞核からみた放射線病態学
細胞核の機能制御異常による心血管病態の解析
*鈴木 亨
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キーワード: 循環器, 病態, 細胞核
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抄録
エピジェネティク制御が心血管病態において中心的な役割を果たすことは近年明らかになりつつある。ヒストン等の翻訳後修飾やそれぞれに関わる酵素またクロマチンリモデリング因子が心血管系の発生分化から心肥大等の病態制御さらに老化(血管)までを制御することが分子、細胞、個体それぞれのレベルで明らかになってきた。従来からのシグナル伝達経路が中心にあるメカニズム論から核内プロセスが病態発症において重要な役割を果たすという考え方へパラダイムシフトが起きている。しかしながら、まだ研究は十分に進んでおらず、実際の病態制御における役割をヒトや病態動物モデルを使った十分な検証が進んでいないため、全貌が見えていない状況である。
心血管疾患におけるエピジェネティック制御の役割を動物モデルないし分子レベルでのメカニズムを追求してきた。病態における転写因子とクロマチンリモデリング因子の相互作用並びに作用をはじめ、DNA傷害修復関連因子と心血管病態の関連を示す知見を得たので、今回発表する予定である。
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© 2009 日本放射線影響学会
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