抄録
宇宙では、宇宙放射線および微小重力の環境にあり、これらの影響の評価を行う必要がある。ヒト神経細胞種由来SK-N-SH細胞は、神経細胞の特徴をもつ増殖が遅い株化細胞である。この細胞はSTS131(19A) にてケネディースペースセンターから打ち上げられ,国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」上の細胞培養装置(CBEF)上にセットされ、1GおよびμGにて37℃にて培養が開始された。14日間ないしは28日間培養を行い、その後固定された。すぐ凍結され,細胞は、凍結のままSTS132(ULF4)に搭載され帰還した。すぐさま筑波宇宙センターに送られたサンプルは、その翌日鹿児島まで運ばれた。サンプルは現在遺伝子発現、ミトコンドリア遺伝子障害等を中心に解析中である。