日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第54回大会
セッションID: PD-1
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D: 低線量・低線量率
低線量率γ線長期連続照射がマウスケモカインネットワークに及ぼす影響
*高井 大策外舘 暁子一戸 一晃田中 公夫小木曽 洋一
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抄録
我々は以前、低線量率(20 mGy/22h/day)γ線を集積線量8 Gyまで連続照射したB6C3F1マウスでは寿命が短縮すること、この寿命短縮の原因として早期の腫瘍死が考えられることを報告した。早期腫瘍死を引き起こす低線量率γ線長期連続照射の影響を明らかにするために、B6C3F1マウスに発生した腫瘍由来の培養細胞を同系メスマウスの背部皮下に移植し、その生着及び皮下腫瘤形成を低線量率γ線長期連続照射マウスと同日齢非照射コントロールマウスとで比較したところ、照射群のマウスにおいて移植腫瘍の生着率の有意な亢進を観察した。今回、その理由を明らかにするために、照射マウスの腫瘍免疫機能に関わる因子について解析を行った。 腫瘍免疫にケモカインネットワークが関連していることはよく知られている。そこで我々は、ケモカインリガンドとケモカインレセプターの組み合わせに着目し、RT-PCRやELISA法を用いて解析を行ったところ、移植に用いた腫瘍細胞はケモカインリガンドCcl2, Ccl5, Ccl25, Cxcl16, Cx3cl1などを多く発現していることがわかった。これらのケモカインリガンドはそれぞれ、ケモカインレセプターCcr2, Ccr5, Ccr9, Cxcr6, Cx3cr1と結合することが知られていることから、マウスの19種類のケモカインレセプターについて、照射マウスにおける発現の変化をRT-PCRを用いて観察したところ、Ccr5, Ccr9, Cxcr6において顕著な減少が認められた。 移植に用いた腫瘍細胞が発現するケモカインリガンドに対するケモカインレセプターの発現が低線量率γ線を長期連続照射されたマウスにおいて有意に減少していたことから、移植腫瘍生着率の亢進との関連について今後解析を進めていきたいと考えている。本研究は、青森県からの受託事業により得られた成果の一部である。
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© 2011 日本放射線影響学会
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