日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第54回大会
セッションID: W7-4
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ワークショップ7. JLEG主催ワークショップ 低線量放射線被ばくと非がん病変
低線量率γ線連続照射は雌マウスの早期閉経と組織の脂肪化を誘発する
*中村 慎吾田中 聡Ignacia Braga-Tanaka III小野 瑞恵神谷 優太小木曽 洋一
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キーワード: 低線量率, 閉経, 肥満
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抄録
 低線量率(20 mGy/ 22 h/ day)のγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスでは、非照射対照マウスと比較して、有意に体重が増加することが分かった。この照射マウスに認められる体重増加の機構を明らかにするために、20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を9週齢から44週齢まで連続照射したB6C3F1雌マウスの脂肪組織重量、肝臓及び血清中の脂質含有量、糖代謝及び脂質代謝に関連した因子(インスリンやアディポサイトカイン等)と卵巣の機能変化を調べた。組織の脂肪化を伴う有意な体重の増加は、20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスにおいて28週齢から44週齢に至まで認められた(集積線量2.7-4.9 Gy)。卵巣及び膣垢標本の病理学的解析から、連続照射マウスでは、卵母細胞の枯渇による早期の閉経と同時に体重増加が起こることが分かった。以上の結果から20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスでは、早期の閉経が引き金となって、体重増加が起こることが示唆される。本研究は、青森県からの受託事業により得られた成果の一部である。
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© 2011 日本放射線影響学会
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