島嶼地域科学
Online ISSN : 2435-757X
離島自治体における自治体外自殺者の特徴
波名城 翔
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 3 巻 p. 95-107

詳細
抄録
本研究では離島自治体に住所を有する者の自治体外での自殺についての基礎資料を得ることを目的とした。調査の結果,家での自殺の割合が最も高く自殺先に生活拠点を有していることが考えられた。また,自治体内自殺との検定の結果,「20代」,「未婚」,世帯の主な仕事では「勤Ⅱ」,「その他」が有意に高かった。また,小規模自治体では自治体外自殺者の割合が高く,住民票登録自治体より規模の大きい自治体で自殺していることが示唆された。離島では就職や進学のために島を離れることが多いことから,自殺予防のために学校教育の中での自殺予防対策と離島自治体外での社会的サポート体制の構築が必要であると考えられる。
著者関連情報
© 2022 国立大学法人 琉球大学島嶼地域科学研究所
前の記事
feedback
Top