日本ロボット学会誌
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ティーチングレス形グラインディングロボットのための研削点の測定法
泉 照之成清 辰生
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1987 年 5 巻 4 号 p. 255-262

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抄録

グラインディングロボットにおいて, 加工物の形状を正確に教示する作業は, 大変にやっかいである.そのために, ティーチングレス形グライディングロボットが既に提案されている.これは, 円柱状砥石において, 研削時の反力によって生じる3つのモーメント成分を測定し, その情報をもとに研削点や, その点における法線の方向を計算して加工物の形状を求める方式である.
本論文は, このティーチング方式をさらに発展させるために, 砥石形状の種々条件において, 研削点等を求める方法を詳しく検討している.その結果, つぎのことがわかった.1) 砥石の摩耗が無視できて, その形状が既知ならば, 研削反力によって生じる3つのモーメント成分だけから研削点が計算式から求められる.2) しかしながら, 砥石の半径がその回転軸方向に対して非直線関数ならば, その計算は大変難しい.だから, 計算を簡単にするために, 更にもう一つのスラスト力成分が検出されねばならない.3) 砥石形状が知られなかったり, 摩耗によって変化する場合でも, 3つのモーメント成分と3つのスラスト成分から研削点を計算する式が得られる.

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