抄録
ロボットアームに対する高度な制御システムとシミュレーションシステムを開発するためには, 動特性モデルの正確な同定法を確立する必要がある.
ロボットアームの動特性モデルのパラメータは, リンク長, 重心位置, リンク質量, 重心回りのイナーシャ, 粘性摩擦およびクーロン摩擦から成る.しかしながら, これらのパラメータを個別に評価する必要はない.何故ならば, 運動方程式の中に表われる結合された係数が得られれば, これらの係数だけを使って, 制御やシミュレーションができる.
本論文において, 粘性摩擦とクーロン摩擦が電流と角速度間の関係を測定することによって求められることを示す.次に, 各関節の剛性に原因して発生する機械共振から導かれる慣性項の有効な同定法を提案している.