抄録
連結連鎖を用いた多自由度機構の総合手法を開発した.連結連鎖の対偶モータが作るスクリュ空間に対し, 可動スクリュ空間および準可動空間を定義した.複数個の連結連鎖で静止リンクと出力リンクを結合した多自由度機構では, 出力リンクは連結連鎖のスクリュ空間の積で与えられる空間に属する任意の運動をとることができる.このスクリュ空間の積が機構の運動によって変化しないための十分条件は連結連鎖のスクリュ空間が可動であるか出力リンクの運動に対して準可動であることを証明した.並進機構の総合例を用い, 本条件を用いて与えられた運動を行う多自由度機構を総合することが可能であることを示した.