抄録
セメントレス人工股関節置換手術を当初の目標とした整形外科手術において, 骨を機械的に精密に処置する外科医の作業能率を上げるために, 画像を利用するロボットシステムの開発を行った.全システムは, まず, CTを基本とした手術前用の対話可能な作業計画要素, さらにロボット, 付加機能をもつ動作監視装置, マンマシンインターフェース要素からなる手術システムで構成される.このシステムによる生体外の実験では, 標準的なマニュアル処置技術に比べて, インプラントの適合性と位置精度において大きな改善が実証された.人工股関節を必要とする犬の臨床試験がすでに始められている.