不安症研究
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総説
日本の看護領域における認知行動療法の実践・研究の動向:系統的文献レビュー
吉永 尚紀野崎 章子宇野澤 輝美枝浦尾 悠子林 佑太清水 栄司
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2015 年 6 巻 2 号 p. 100-112

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抄録
日本国内の看護領域における認知行動療法の実践・研究の動向を概括することを目的に,事例および効果研究の系統的文献レビューを行った。その結果,認知行動療法は精神疾患を中心にさまざまな看護領域で活用され,また,その多くは入院環境下で実施されていることが明らかになった。効果研究では,看護職による認知行動療法が効果的とする報告が多かったが,その対象や研究デザインは多岐にわたっていた。また,事例研究と効果研究のいずれも,認知行動療法実施中のスーパービジョンなど,質の担保方法に関する報告が少なかった。これらの知見から,継続的なスーパービジョンを含む教育・研修システムの整備,看護職養成課程での認知行動療法に関する基礎教育の実施,そして看護職による認知行動療法の効果を検証するランダム化比較試験の実施が,今後取り組むべき課題と示唆された。
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© 2015, Japanese Society of Anxiety Disorder
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