主催: 人工知能学会
会議名: 第89回 知識ベースシステム研究会
回次: 89
開催地: キャンパス・イノベーションセンター東京 多目的室4
開催日: 2010/03/29 - 2010/03/30
p. 02-
現実世界で見られる個人(個体)の協力行動については様々な要因が存在するが,その1つに相手の協力度(どれぐらい協力的かを示す指標)を考慮した意思決定があるものと考えられる.\n岩田&秋山(2010)は,相手の協力度を考慮して意思決定を行うような戦略を有するプレイヤーの集団において,協力行動が進化し得ることを示した.\nしかし,現実世界の集団では相手の協力度を考慮するプレイヤーと考慮しないプレイヤーが混在することも多く,集団内のプレイヤーの戦略が同一であるという仮定は現実的ではない.\nそこで,本研究では,集団を構成するプレイヤーが異なる戦略を有する状況下で,この戦略が進化し得るかどうかを分析した.\nその結果,(1)相手の協力度を考慮する戦略が進化するかどうかは集団のネットワーク構造に依存すること,(2)集団が特定の戦略に支配されず,相手の協力度を考慮する戦略と考慮しない戦略が共存した状態で均衡が達成されることが分かった.