2008 年 2008 巻 SWO-019 号 p. 08-
人間に近い高度な言語情報処理能力を工学的に実現するためには、辞書や文法などの言語知識の他に、大量の世界知識を計算機に与える必要がある。そうした世界知識には、モノだけでなく、コト、すなわち、事象に関する知識が含まれる。われわれは、国語辞典の語釈文から抽出した事象に関する知識群を、既存の動詞項構造シソーラスと統合することにより、言語に基づく推論を行なう基盤となる、事象間関係知識のデータベースを構築した。本論文では、このデータベースの構築過程と現状について報告し、データベース内の知識を用いた推論について述べる。