2011 年 2011 巻 FIN-006 号 p. 07-
近年の脳神経科学の発展は,これまで経済学において使われてきたような意思決定モデルに修正を迫り,より現実に近い新たな意思決定モデルの構築を促している.このような流れを受けて,本研究では脳情報をはじめとする生体データにより,従来の行動ファイナンス理論に基づく投資モデルがどのように改善されるのかを分析する.脳情報は一般にノイズが大きく要因が複雑に交錯しているため,その解釈には一定の訓練を要し,それが実用化の障害にもなっている.本研究では,このような問題意識のもと,統計的パターン認識技術をベースにしたマイニングにより投資意思決定の予測の精度を大幅に向上させる可能性を追求する.