2013 年 2013 巻 SAI-017 号 p. 01-
2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に,Twitterが情報を伝達・収集するツールとして機能したことは記憶に新しい.そのような中,災害時の新たな情報源としてのソーシャルメディアが期待を集めている.現在,ソーシャルメディア上での情報拡散の研究が多く行われている.本研究では,情報拡散が行われるネットワークの構造に着目し分析を行う.震災によるコミュニケーションネットワークの構造変化は情報拡散のしやすさに影響を及ぼすと考えられる.そこで,震災によって変化する前後のネットワークの情報拡散能力を評価し,震災後のネットワークの方が情報拡散能力が高いことを示唆した.また,それがどのような要因によって引き起こされたものかを分析し,次数分布が重要な要因であることを示唆した.