2014 年 2014 巻 SAI-019 号 p. 02-
2011年3月11日に発生した東日本大震災後,Twitter等ソーシャルメディアの果たした役割はとても大きく,今後起こるであろう各種災害においても重要な役割を担うことが予想される.しかし,誤った情報(流言・デマ)が広がったことも事実であり,大きな社会問題となった.災害時には,必要な情報をいち早く拡散させるだけでなく,誤った情報の拡散を早期に収束させることが重要である.これまで,我々は情報拡散モデルとして,人の情報に対する興味度や情報発信元の信頼性等のユーザーの多様性,また情報経路の多重性を考慮したモデルを提案し,定量的な評価手法を用いて評価を行った.しかし,これまでに再現したデマはデマ拡散とデマ訂正情報拡散のピークが共に1 度だけのものである.現実には,デマ拡散のピークが複数あるものが確認されおり,そのようなデマ拡散にも対応できるようモデルを拡張する必要がある.本研究では,従来までのモデルをベースとし状態遷移の仕組みを改良することで,デマ拡散のピークが複数あるものにも対応できる新たな情報拡散モデルであるAgent-based Information Diffusion Model(AIDM)の提案を行う.