2018 年 2018 巻 KST-35 号 p. 03-
原子力発電所は,運転停止し,発電フェーズから廃止措置に移行する炉が増えてくると予想されている.こうした炉では,これまでと異なる業務に従事せざるを得ない状況下にある.そこで,運転経験を通じて身につけた知識や技術は廃止措置業務で,十分に役立つとは考えがたい,伝承されずに喪失してしまう.本研究では,廃止措置中にある原子力発電施設「ふげん」を対象に,知識等の伝承に関して世代継承性という観点に着目し,技術や知識の継承の背景やそれらを円滑化することを目指した心理社会的側面を明らかにすることを目的とする.