2020 年 2020 巻 BI-014 号 p. 01-
日々の営業活動報告はテキストデータで登録され、表現、内容、スタイルが既存の NLPシステムの学習データセットに含まれていないため、解析して AI で活用したくてもできていない。本研究では、先行指標が記載されているため、ビジネス上価値があると認識している「お客様の声」文の解析をもとに定義を明確にし、学習データを作成した。最初に、お困りごとと課題の特徴をお客様の「事象」と「心象」を軸に定義した。「お困りごと」とは、現在の状態と理想の状態とにギャップがあり(事象)、そのギャップに対して困っている(心象)。「課題」とは、お困りごとを解消するための行動(事象)であり、行動に前向き(心象)。事象と心象の条件をクリアした文のみ学習データとして分類器を開発、営業日報からお客様の声文の抽出を試みた。テキストデータの AI 活用に手ごたえを感じる結果を得ることができた。