人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
t 過程ボラティリティ変動モデル
濃野 歩内山 祐介中川 慧
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2020 年 2020 巻 FIN-025 号 p. 70-

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抄録

アセットアロケーションやデリバティブの計算において, 金融資産の変動規模を表すボラティリティが活用されている. 一方で, ボラティリティは直接観測される量ではないため, 観測量に対する潜在変数を用いたモデル化が行われている. これらのモデルは総じてボラティリティ変動モデルとよばれており, 主に計量ファイナンスや金融工学の分野において使用されてきた. 従来のボラティリティ変動もモデルのほとんどは線形モデルであるため, 非線形性を有する複雑なボラティリティ変動を推定することができない. 潜在変数の非線形ダイナミクスを推定する機械学習モデルとして, ガウス過程動的潜在変数モデルが提案されている. 本研究では, ボラティリティの非線形ダイナミクスを外れ値に対してロバストの推定することを目的に, スチューデントのt 過程を動的潜在変数モデルに拡張したモデルを提案する. 提案モデルの潜在変数とハイパーパラメータを粒子フィルタに基づいてオンライン推定する. これにより, 観測された金融資産に対応するボラティリティ変動を推定する.

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© 2020 著作者
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