2021 年 2021 巻 FIN-026 号 p. 82-
近年では株価データと他のデータを組み合わせたマルチモーダル学習が頻繁に行われている.しかし,複数の情報源からそれぞれ特徴量ベクトルを作成した後,それらを単純に連結させたベクトルを用いて予測するのでは,情報源間の共起関係が十分に考慮されないという問題があった.このような問題に対して,高次元テンソルを用いて対処しようとする研究がされている.本研究はそれらの研究を発展させることで,複数の情報源を使ったときに,株式価格の変動をより精度よく予測するためのテンソルを用いたマルチモーダル学習フレームワークを提案する.そして,3種類の情報源としてトムソン・ロイター社が発信した記事,トムソン・ロイター市場心理指数(TRMI)のセンチメントデータ,ニューヨーク証券取引所の株価データを用いて評価実験を行った.その結果,一日後の株価の予測・残差リターンの正負を予測する実験において,提案手法により予測性能の有意な改善が見られた.