人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
構造化知識を基にした介護業務マニュアルの設計と評価 - 専門家による知識構造化方法の改良について
西野 貴志吉田 康行齊藤 貴也西村 拓一
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2021 年 2021 巻 SWO-055 号 p. 01-

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抄録

マニュアルは従来から組織における新人教育・訓練・職員間の知識共有のための手段として広く活用されている.しかし,マニュアル人間という表現があるとおり,書かれた行為やルールを墨守するあまり,そこから外れたことに直面すると適切な対応ができないことの弊害も指摘されていた.そこで,我々は,目的指向で知識を構造化し,事故報告書やベストプラクティスなどのデータと組み合わせるデータ知識構造化手法を提案している.この手法により各行為の目的と根拠を把握でき,新たな状況に対処する能力も醸成可能となる.しかし,現状の構築方法には,従来の高品質なマニュアルを構築する専門家のノウハウが活かされていなかった.そこで,本論文では,マニュアル構築専門家が知識工学の専門家による構造化知識をベースにした高齢者の自立支援介護マニュアルを設計し,利用者によるマニュアルの設計時品質の評価を行うことで専門家のノウハウを表出する.本研究の結果から,マニュアル構築において構造化知識を知識源とすることの利点と課題,知識構築の変化が明らかとなった.

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© 2021 著作者
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