2023 年 2023 巻 SWO-061 号 p. 09-
郷土料理には地域の特徴や文化の重要な情報が詰まっているが,現代の食習慣の変化により,郷土料理を継承する機会が減少している.そこで本研究では,郷土料理の継承に寄与するLinked Open Dataの構築を目指している.しかし,どのようなデータが継承に寄与するかは明らかでなかった.そこで,どうすれば郷土料理を作りたいと思えるかを調査するためのアンケートを実施した.郷土料理を作りたい理由に「郷土料理を継承していきたい」が多くあり,作りたくない理由には「手間・面倒・時間がかかる」や「材料を揃えるのが大変」の回答が多くあった.アンケートの結果を踏まえ,大規模言語モデルを用いて既存の郷土料理レシピを簡単化し,作りやすくしたものをLOD化することが郷土料理の継承に寄与するという仮説を立てた.本稿ではその仮説に基づき,大規模言語モデルを郷土料理用いたレシピ簡単化システムの作成を行った.しかし,実際に生成したレシピは簡単化や郷土料理らしさに関してあまり精度が高くなかった.そのため,特に精度が悪かった材料の代替に関して「材料の代替知識データ」を導入し,生成レシピの精度を高めた.