2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 01-
ハイブリッドワークの定着により、オフィス需要は大きく変化している。従来の需要予測はマクロ的手法が中心だったが、出社の自由度が高まる中では働き方の変化を捉えきれない。本研究では、エージェントベースモデル(ABM)を用いて出社行動をミクロレベルでモデル化し、個人の選択が組織全体の出社パターンに与える影響を分析した。その結果、業務特性に応じて適切な指定出社日数が異なることが示された。また、グループ分割による出社は、全社員が同じ日に出社する場合と比べても、組織パフォーマンスを維持し得ることが示唆された。さらに、ABMを用いた東京主要5区のオフィス床需要の推定では、中長期的に約15%の構造的な需要減少が示唆された。