2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 29-
スタートアップ企業は事業の初期段階において十分な収益実績を有さない場合が多く、DCF(Discounted Cash Flow)法などの従来の企業価値評価手法を適用することは困難である。米国においては、業界特性に応じた評価指標が開発・活用されているが、日本ではこれらの指標が十分に開発されているとは言い難い。本研究では、米国のスタートアップ企業向けの評価指標を基に、日本におけるスタートアップ企業の価値評価を試みることを目的とする。本研究で得られる知見は、各スタートアップ企業の特性と企業価値との関連性を分析し、さらに日本と米国におけるスタートアップ企業の特徴を比較することで、企業成長の成功要因を探求に資するものになるであろう。今後、日本国内におけるスタートアップ関連指標データの整備および標準化が喫緊の課題として挙げられる。