2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 28-
近年、サステナビリティやESGを考慮した経営と企業価値の関連性を検証する研究が増加している。既存の研究では、従来のCSR活動を包含するESG評価の向上が投資家の関心を集め、株価や財務パフォーマンスに影響を与えることが示唆されている。また、持続可能な経営が長期的な収益の安定性やブランド価値の向上に寄与する可能性も指摘されている。しかし、多くの研究において交絡因子の影響が十分に考慮されていない点が課題として残る。本研究では、統計的因果推論の手法を用いて交絡因子を適切に統制し、ESG評価が企業価値に与える影響を定量的に分析することを目的とする。本研究の成果は、企業の持続可能な成長を促進するための経営戦略の策定に有用な知見を提供する。